原則、やり直しをすることはできません。
ただし、以下の場合にはやり直しは可能です。
①相続人全員の合意による遺産分割のやり直し
遺産分割協議が成立した後に事情が変わり、相続人全員が合意のうえ、遺産分割協議をやり直すことはできます。
すでに行ってしまった相続登記も間違っていたということで抹消して、新たな遺産分割協議書を作って、相続登記を行うことができます。
このように、相続人全員の合意があるならば、遺産分割協議のやり直しは法律上は全く問題ありません。
ただし、税務上、遺産分割のやり直しは、遺産分割とはみなされず、譲渡・交換・贈与として課税されます。特に贈与税は税率が高く、多額の税金がかかってしまう恐れがありますので、慎重になる必要があります。
②無効な遺産分割のやり直し
上記の場合と区別していただきたいのが、元々の遺産分割協議が法律上無効で成立していなかった場合です。
遺産分割協議に参加していない相続人がいたり、後から相続人が現れたり、相続人の誰かが遺産を隠していた場合などは、そもそも遺産分割協議自体が無効で成立していません。
この場合は、遺産分割協議を必ずやり直さなければなりません。
税法上も通常の遺産分割とみなされ、相続税の申告が済んでいれば、相続税の修正申告や更正の請求を行います。