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離婚をした場合、前配偶者と子の相続はどうなりますか?

質問

離婚をした場合、前配偶者と子の相続はどうなりますか?

答え

【被相続人の前配偶者とその間の子のケース】

 

前配偶者(死亡)   ━   本人 ━ ③現配偶者

                       |

 

                ②子

前配偶者①が亡くなった場合、本人は①の前配偶者における相続人に該当しません。

   しかし、②の子供については、血縁関係があるため相続人となります。

   また、相続権が無くなる事もありません。

   つまり、相続人になり得るかのポイントは被相続人との血縁関係の有無が関係します。

 

   【再婚相手の相続】

             

       前配偶者 ━  本人 ━ ③現配偶者(死亡)

                     |

 

                   ②子

   再婚した配偶者③が亡くなった場合、①前配偶者は上記と同様相続人に該当せず、②の子に関しても相続人に該当しません。(血縁関係にない為)

   ↓

   【再婚相手の相続権を発生させる方法】

    ⇒②の子を養子縁組する事で血縁関係にない場合であっても相続権を発生させる事が出来ます。(血の繋がっている子と同じ扱い)

 

ワンポイントアドバイス:離婚をした場合、争いを防ぐためにも養子縁組も含めて検討してみると良いでしょう。

相続と銀行預金

質問

相続が発生し、被相続人の銀行の預金口座が使えません。預金口座に関する相続手続きに必要な資料は何ですか?

答え

<銀行の預金口座>

相続が発生した場合、銀行は死亡の事実を知った時点で手続きを行い預金口座等ストッ

プします。

 

<預金相続の手続きについて>

口座名義人が亡くなられた場合、遺族や遺言執行者等が預金の相続(払い戻し等)の手続き

を行う必要があります。

 

<必要書類>

 

遺言書がある場合

・遺言書

・検認調書または検印済証明書・被相続人の戸籍謄本または全部事項証明

・相続人(遺言執行者)の印鑑証明書

遺言書がなく、遺産分割協議書がある場合

・遺産分割協議書

・亡くなられた方の除籍謄本・戸籍謄本

・全部事項証明書(出生~死亡)

・相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書

・相続人全員の印鑑証明書

遺言書がなく、遺産分割協議書もない場合

・亡くなられた方の除籍謄本

・戸籍謄本・全部事項証明書(出生~死亡)

・相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書

・相続人全員の印鑑証明書

家庭裁判所による調停調書・審判書がある場合

・家庭裁判所の調停調書謄本もしくは審判書謄本

・預金を相続される方の印鑑証明書

 

ワンポイトアドバイス

⇒相続が発生した場合、まずは銀行等取引のある金融機関に連絡し手続きを確認して

下さい。金融機関によって手続きが異なるケースもあります。まずは、相続が発生した事実

を銀行に知らせる事からスタートしましょう。

遺言には大きく3つの形式があります。

質問

遺言にはどんな種類があるのですか。

答え

・遺言とは

 ⇒遺言とは、遺言者の死亡後にその意思を実現するための制度です。(民法第5編第7)

 遺言をするためには、口頭で誰かに意思を伝えるだけでは足りず、書面を作成する必要があり、その書面を遺言書といいます。

 

・遺言の目的

 遺産の分割をめぐる相続人の間の争いごとを未然に防ぐ事ができる。

 ⇒遺言がない場合相続人全員の合意に基づく「遺産分割協議書」を作成しなければならない。スムーズにいかない事も多く遺産分割を家庭裁判所にゆだねるケ―スが多い。

 

・遺言の方式

              

民法が定める『遺言の方式』は?

 

普通方式

 

特別方式

自筆証書遺言(民法968)

 

 

臨終遺言

一般臨終遺言(民法976)

公正証書遺言(民法969)

 

遭難船臨終遺言(民法979)

秘密証書遺言(民法970)

 

隔絶地遺言

伝染病隔離者遺言(民法977)

 

在船隔絶地遺言(民法978)

 

 

 

・遺言の種類

 自筆証書遺言:全文を自分で書く遺言の事。

        

メリット

個人で作成できるため簡単で費用がかからない。

遺言書の内容・存在を秘密にできる

証人がいらない

 

 

デメリット

紛失・隠ぺい・変造の恐れがある

形式不備・内容不備・による無効の恐れ

遺言能力・他人の介在などについて異議が出る恐れ

相続開始後の家庭裁判所の検認手続が必要

 

 公正証書遺言公正証書遺言とは、公証役場で公証人に作成してもらう遺言のことです(民法969)。

 

 

メリット

保管が確実なため(本人には正本と謄本、公証人役場に原本が保管される)紛失・隠ぺい・変造を防ぐ

公証人が作成するため、形式不備や内容不備による無効の

恐れがない。

文字が書けなくても署名ができれば遺言可能

遺言が本人の意思で作成されたものであることが保証される

相続開始後の家庭裁判所の検認手続が不要

 

 

 

 デメリット

公正証書の作成手数料がかかる(公証人への依頼費用)

2人以上の証人の立会が必要

証人→①未成年②推定相続人及び受遺者ならびにこれらの配偶者、直系血族③公証人の配偶者、4親等内の親族、書記および使用人は不可

 

 

・ワンポイントアドバイス

 遺言の方式によってメリット・デメリットがありますが、残された方を第一に考える

と変造や紛失無効の恐れが少ない公正証書遺言が安心といえるでしょう。

物納制度

質問

相続税の支払で物納はできるのですか?

答え

・可能です。但し、ある一定の条件を満たすこと。そして、物納できる財産は決まっています。

 

・物納とは、延納でも相続税を払うことができない場合に、金銭ではなく不動産など特定の相続財産で納付する方法です。

 


 物納が認められる条件

 

延納でも金銭で納められない理由がある

金銭で納付することが困難である金額である

物納できる相続財産がある

期限内までに物納申請書を提出する

 

 物納がしにくい、できにくい財産

・物納不適格財産

 →抵当権が設定されている不動産

  境界が不明確な土地

 

・物納劣後財産

 →市街化調整区域内の土地    

  接道条件を充足していない土地

    *他に物納適格財産がある場合に却下される可能性があります。

 

   

*物納申請後に延納が可能になった場合は、一定の条件を満たせば延納に

  変更できます。

 ただし、逆に延納申請後に延納を物納へ変更する事は、資力の状況の変

  化などがない限りできません。

 

(ワンポイントアドバイス)

・物納は相続税を金銭で支払えない時の救済措置としてものです。

したがって、基本的に相続税は金銭で支払事を想定しておきましょう。

 

 

 

海外(外貨)財産の評価

質問

海外に財産がある場合、財産評価はどうなるのですか?

答え

 

⇒外貨建てによる財産または国外にある財産は、日本円に換算した額が相続税評価額にな ります。

 

 

評価手順

日本円に換算

⇒原則として、取引金融機関が公表する課税時期の最終の為替相場

          ↓

日本円に換算した相続税評価額を相続財産

に加算し、他の財産と同様に計算する

節税効果

節税効果としてのメリットはない

⇒規制が厳しくなっている

 

近年傾向

・海外への資金移動に税務署等も注目

・平成24年度より『国外財産調書制度』を創設。

⇒国外財産で5000万円超を有する個人は国外財産調書の提出が必要となる  

 

・ワンポイントアドバイス

⇒相続税としての節税効果はなく、国外財産の申告漏れが発覚すると、過少申告加算税・無申告加算税を課される事にもなるので相続を考える上では注意が必要です。

 

相続税の還付制度

質問

最近消費者金融による過払い請求という言葉をよく耳にしますが、相続税においても払い過ぎた場合戻ってくるのですか

答え

申告の誤りが明らかな場合は、期限内の請求について、相続税還付を受ける事ができます。

 

還付制度とは

   納税者の正当な権利として認められたものであり、日本の申告納税方式において納税者に救済措置として用意されたのが還付制度です。   

   

   ・還付請求が有効な期間とは

   →申告期限から5年

 

 

 

期間

内容

 

更正の請求

5年

(法定申告期限後)

課税期間内に納めた税金において、納めすぎがあると認められた場合は減額の更正を行う。

*平成23122日以降に法定申告期限が到来する国税について、更正の請求ができる期間が法定申告期限から原則として5年に延長されました。

*平成23122日より前に法定申告期限が到来する国税の請求期限は従来通り法定申告期限は1年となります。

 

 

・相続税還付の対象になりやすい相続財産とは

   →土地に絡む相続が多い程、還付の割合が高い傾向にあります。

    土地の評価を誤っているケースが原因といえます。

(日当たり・間口・不整形地・土壌汚染・要セットバック等)

 

 

ワンポイントアドバイス:相続財産の内容によって、評価に少しでも疑問があれば専門の

               税理士などに相談してみましょう。

 

 

 

土地の評価方法

質問

土地の評価方法はどの様な方法が取られているのですか。

答え

土地の評価額は4種類あります。

 

種類

 評価割合(めやす)

(実勢価格を100%とした場合)

内容

実勢価格

100

実際の売買取引時に成立する市場価格

 

公示価格

 

90

国土交通省が発表するその年の1月1日時点における標準地の価格。土地取引の指標となります。

 

路線価格

 

7080

国税庁が発表するその年の1月1日時点における価格。相続税、贈与税計算の際の評価額に用いられます。

 

固定資産税評価額

 

6070

市区町村が算定する3年毎の1月1日時点における価格。固定資産税、不動産取得税等の算定に利用されます。

 

この中で相続税の計算で使用される評価方法は「路線価格による評価方法」と「倍率方法による評価方法」があります。

 

■路線価格による評価方法

 所有する土地が面した道路に振られている、その土地の1㎡当たりの価格(路線価)に、地積を乗じて土地の評価額を算出します。

ただし、路線価は整形地で間口が充分に取れている等の優良な土地を想定しています。

 従って、実際の土地の評価に当たっては路線価による評価額を基礎とし、各々の地形、接道状況、用途地域、周辺環境、利用状況等を加味して行う必要があります。

 

倍率方法による評価方法

 路線価が振られていない地域においては、「固定資産税評価額」にその地域ごとの倍率を乗じて土地の評価額を算定します。

「固定資産税評価額」は毎年市区町村より送られてくる「固定資産税の課税明細書」に記載されています。

相続財産には債権も含まれるのか。

質問

相続する財産には債務も含まれるのですか。

答え

債務は相続財産に含まれ積極相続財産から控除されます。

 

 相続財産から控除される債務は、相続開始日において確実であるものに限られます。不確実なものは対象となりません。

 

なお、支払わなければならないことが確定しているものについては、必ずしも書面での証拠が必要となるわけではありません。

 

債務の種類には、税金・銀行借入金・借入金・未払金・買掛金等があります。

税金ついては、相続開始日において未払いのものの他に、準確定申告の際に納付した所得税も含まれます。固定資産税、都道府県民税、市町村民税等は納税義務が確定する日(固定資産はその年の11日)が債務の確定日になりますので、それ以降に相続が発生し、かつ、相続開始日でそれらの税金が未払いの場合、その金額が控除されます。なお、税金のうち相続人の責任による延滞税等は控除の対象にならないのでご注意して下さい。

 

銀行借入金、借入金等については本人が借り入れをしている場合には控除対象となりますが、保証債務や、連帯債務については下記の様に取扱いが異なるので注意してください。

 

保証債務については、主たる債務者が弁済不能であるために債務を履行し、かつ主たる債務者からその金額を回収できる見込みがないとき、また連帯債務については、負担すべき金額が明らかになっている部分について相続財産から控除することができます。

事故による賠償金の取扱い

質問

被相続人が事故に遭い損害賠償金を受け取る前に死亡した場合は相続税の対象になるのでしょうか。

答え

 

事故に遭った被害者が死亡したことに対して遺族に支払われる損害賠償金は相続税の対象とはなりません。
 この損害賠償金は遺族の所得になりますが、所得税法上非課税規定がありますので、原則として税金はかかりません。

なお、被相続人が損害賠償金を受け取ることに生存中決まっていたが、受け取らないうちに死亡してしまった場合には、その損害賠償金を受け取る権利すなわち債権が相続財産となり、相続税の対象となります。

 

相続税等の課税対象となる年金受給権

質問

被相続人の死亡により取得する年金について相続税の課税対象となる年金受給権を教えて下さい。

答え

被相続人の死亡により取得する年金について相続税の課税対象となる年金受給権は2種類あります。

 

1.      在職中に死亡し、死亡退職となったため、会社規約に基づき、会社が運営委託していた機構から遺族の方などに支払われることとなった年金です。

 

この年金は死亡した人の退職手当金等として相続税の課税対象となります。

 

2.      保険料負担者、被保険者、かつ、年金受取人が同一の個人年金保険契約で、その年金支払保証期間内にその人が死亡したために、遺族の方などが残りの期間について年金を受け取ることとなった年金です。

 

この場合、死亡した人から年金受給権を相続又は遺贈により取得したとみなされ相続税の課税対象となります。

年金受給権の価格評価は、相続税法第24条の規定に基づき解約返戻金相当額などにより評価します。

 

 

なお、厚生年金・国民年金などによる遺族年金は原則として所得税も相続税も課税対象となりません。

また、死亡した時に支給されていなかった年金を遺族が請求し支給を受けた場合は、支給を受けた方の一時所得となり、相続税は課税対象となりません。

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