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養子縁組した孫に 相続時精算課税制度は利用できるのか?

質問

私には娘が一人いるのですが、娘の子(孫)に私の事業(医院)を継いでほしいと考えています。孫を私の養子にし、財産を渡したいと考えているのですが、相続時精算課税制度は利用できないのでしょうか?

答え

相続税法上、養子として認められる相続人の人数は、実子がいる場合には養子のうち1人、実子がいない場合には養子のうち2人まで認められます。

ですので、ご相談者の場合は娘さん以外はお子様がいないようですし、お孫さんが初めての養子縁組にされるということでしたら、上記に該当します。

つまり、ご自身のお孫さんと養子縁組をすれば、法律上の親子関係が生じ、実子と見なされることから、相続時精算課税制度の対象となるので利用できます。

養子縁組した後に生前贈与すれば、世代飛ばしで財産を移転させることができ、相続税の課税を一回免れることになります。

この「養子縁組」ですが、複数のお孫さんがいる場合には、誰を養子とするのか検討しなければなりません。またお孫さんが未成年の場合には、「家督」を承継するのに最適な人物なのかどうかを判断して実行しなければなりません。

 ただし、この「養子縁組」したお孫さんは、相続税の計算時には2割加算が適用されますので、デメリットもあることを考慮して検討しましょう。

また、今回の質問にはありませんが、相続時精算課税制度を使って「一時払終身保険」の加入を検討するのも1つの方法です。

例えば、お孫さんを養子にし医院を継がせたとします。通常、医院を経営していれば金融機関からの借入金があると思います。その借入金の返済に対する事業リスクはカバーできていると思います。もし、お孫さんのご遺族の生活保障がカバーされていないのであれば、この機会にでもお孫さんの一時払保険料相当額を生前贈与して、お孫さんを被保険者とした終身保険に加入させます。お孫さんが万が一の場合でも、残されたお孫さんの遺族が安心して生活ができるようにしておくことができます。

 

【ワンポイント】

相続時精算課税制度の活用は多岐にわたります。家族が本当に幸せな生活を送れるように、活用方法を慎重に検討しましょう。

事業承継にも効果的な生前贈与

質問

自社株を後継者に引き渡したいと考えています。注意するポイントを教えてください。

答え

所有されている出資金や関係会社の株式を、将来どのように後継者の方に引き渡すか...ということは経営者にとっては大きな問題です。

ご存じのとおり自社株式は、永年の利益の蓄積や土地などの含み益で、よほどの赤字でなければ株式の評価額はかなり高くなっているものと思われます。

このような場合、どのように後継者の方へ大切な株式を引き渡し、事業をスムーズに承継できるかといことが問題です。

以前は、従来の110万円の基礎控除を利用して、暦年贈与により何株かずつの株式移転を実行されていた方も多いかと思います。

しかし、平成15年度の税制改正において、2500万円の大型生前贈与(相続時精算課税制度)が新設されました。

この大型生前贈与を利用して、スムーズな形での事業承継が可能となったわけです。

従来の110万円の暦年贈与ではかなりの贈与税の負担となることから、一気に株式を贈与するというのは、非常に難しかった面がありましたが、2500万円の非課税枠を使えば父から後継者へ一気に贈与できます。

もともと将来において、評価額の上昇が予想されるものについては、この生前贈与が有効です。早めに贈与すると低い価額で、相続時に持ち戻しとなるためです。

自社株式は、利益がどんどん蓄積されると評価額も高くなりますから、生前贈与する財産に適しています。

以前から後継者への事業承継のタイミングを考えておられた方には、絶好の機会到来といえるでしょう。

ただし、株式の評価があまりにも高いと、理事長や役員の退職金を支給するなど、一時的に株式の評価を引き下げるなどの対策が必要となってきます。この場合には、通常、退職金を損金処理した翌期が旬の時期となります。

なお、「役員退職金」については、原則として株主総会の決議等によって退職金の額が具体的に確定した日の属する事業年度、または、実際に支払った事業年度において、損金処理が認められるので、未払金などの計上の仕方によっては損金処理できない場合があります。(=株価の評価が下がらない) また、「役員退職金」について課税側勝訴の判決も出ていますので同族会社での「役員退職時期」については特に慎重を期する必要があります。

 

【ワンポイント】

事業承継は、オーナーにとっては人生において大きな問題ですので、後継者をきちんと決めて、株式の贈与を実行しましょう。

収益物件の贈与は効果絶大

質問

先日、知人から、「相続税対策に収益物件を生前贈与するといいらしい」と言われました。私は、自由に使える金銭で渡した方が貰った者にとってはいいのでは…と思うのですが、どちらがいいのでしょうか。

答え

前回のワンポイントアドバイスで、「仮に父が持っているアパートを子に生前贈与すれば、いくら相続時に持ち戻しされるとしても、かなりの節税効果を見込めることができる」とお話ししました。

これは、ご質問者の知人の方がおっしゃる「相続対策に収益物件を生前贈与するといいらしい」というお話と全く同じです。

アパートなどの建物は、時価が仮に1億円とすると、相続税評価額はその約6割、6,000万円での評価となります。

しかし、賃貸用の建物なので、住んでいる人の借家権という権利が控除できますので、さらに3割(地域によって違うが、多くの地域は3~4割)が控除されるため、最終的には時価の約4割の4,200万円での評価額となるのです。

この結果、金銭での贈与よりもむしろ、アパートなどの収益物件を贈与したほうが、断然有利となります。

この収益物件の贈与は、評価額の低さだけではなく、これから申し上げる部分が一番肝心な部分です。

アパートなどの収益物件は、毎年家賃収入を生み出していきます。この家賃収入を無償で父から子へ贈与したことと同じ結果となるのです。

父がアパートを相続時まで所有していたとしたら、毎年の家賃収入が相続財産をさらに増やしていくだけとなり、将来の相続税の負担を重くしていきます。

子に贈与したことによる大きなメリットは、父の所得税の節税や、相続財産の増加を防ぐだけでなく、子に入っていく家賃収入で将来の相続税の納税資金を準備していくことになる点にあります。

ただし、この収益物件の贈与にも注意しなければならない点があります。

それは、そのアパートに借入金が残っている場合です。借入金付で贈与すると、相続税評価額での贈与は認められず、負担付贈与となり、その時の時価での贈与となります。

 

ワンポイント

贈与する物件は、①収益力があること ②借入金が存在しないこと、の2点です。

「暦年贈与」と「相続時精算課税による贈与」の使い分け

質問

贈与には「暦年課税の贈与」と「相続時精算課税による贈与」の方法があると聞きましたが、どのように使い分ければいいのでしょうか?

答え

確かに現在は、贈与の課税制度として「暦年課税」と「相続時精算課税」の二つの制度があります。

暦年贈与とは従来の基礎控除110万円を使った贈与をいい、相続時精算課税制度とは贈与時に贈与財産に対する贈与税を納め、その贈与者が亡くなった時にその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めたその贈与税相当額を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税を行うものです。

簡単に言いますと、暦年贈与は渡し切りで相続税が節税でき、相続時精算課税は文字通り「相続時の精算」ですから、相続時に持ち戻されるため、相続税の節税にはなりません。

しかも、相続時精算課税を一度選択してしまうと、その贈与者からの贈与はもう二度と暦年贈与は使えなくなります。

しかし、いくら節税にならないといっても、このせっかくの制度を使わない手はありません。

例えば、相続時精算課税による生前贈与は父から、暦年贈与は母からという具合に利用すればどうでしょう。仮に父が持っているアパートを、子に相続時精算課税制度を利用して生前贈与をすれば、いくら相続時に持ち戻しされるとしても、かなりの節税効果を見込めることができます。

アパートなどの収益物件は、将来に向けて家賃収入を毎年生み出していきます。この家賃収入を子に無償で贈与する結果となることから、父の財産増加を防止することで節税を図ることができるわけです。

もう一方の母からは、暦年贈与の方法で、毎年110万円の基礎控除を使い、現金などの金融資産を子に贈与していけば渡し切りとなるため、相続時精算課税と暦年贈与をうまく組み合わせることで、父と母から相続財産を生前に上手に移転させることが可能となります

 

【ワンポイント】

相続時精算課税制度による生前贈与は、政府の消費を刺激し、景気回復という政策目的で創設されたものですから、即節税になるとは限りません。しかし、暦年贈与をうまくミックスしていけば、節税効果は大きくなります。父と母の財産構成をよく見定めて、両者の併用を図っていくことがポイントです。

婚姻期間20年以上の夫婦なら2000万円贈与が可能

質問

定年退職をきっかけに、私の退職金を使って郊外に自宅を購入し転居しようと思っています。新しい家は妻名義にし、従来の家は相続で子どもに残そうと思っているのですが、新しい家には贈与税などがかかるのでしょうか?

答え

相続税には、「配偶者の税額軽減」の特例があります。また、贈与税にも、内助の功に報いる意味において「配偶者控除」の特例があります。

この「配偶者控除」の特例の適用を受けるための要件は、次のとおりです。

婚姻期間が20年以上であること。

②配偶者から贈与された財産が、自分が住むための居住用不動産であること、または、居住用不動産を取得するための金銭であること。

贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産または贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること

④過去に同じ配偶者からこの適用を受けていないこと。(配偶者控除は同じ配偶者の間では一生に一度しか適用を受けることができません。)

一定の書類を添付して、贈与税の申告書を提出すること

以上の要件を満たせば、相続税評価額で、最高2,110万円(基礎控除110万円+配偶者控除2,000万円)まで無税で財産を移転できます。将来発生するであろう相続に対し、相続財産を事前に移転できるわけです。

ご質問者が、婚姻期間20年以上で、かつ、今までにこの特例を使って贈与をせずに、近々購入予定の自宅に奥様が購入後に住まわれ続けるのであれば、奥様名義にしても2,110万円までは税金がかかりません。

ちなみにこの2,000万円控除の特例ですが、店舗兼住宅についても適用できます

店舗兼住宅であっても、居住の用に供されている部分については、その家屋の所有者が配偶者であれば2,000万円控除を受けることができます。

この場合、居住用の部分と店舗の部分とに床面積を按分し、配偶者控除額の計算をすることになります。

ただし、床面積における居住用部分の割合が90%を超えるときは、その建物全体を居住用と見なすことができます。

最後に、この「贈与税の配偶者控除」の特例を使った贈与は、相続開始前3年以内に行われていても、生前贈与加算の対象にはなりませんので、安心して実行してください。

 

【ワンポイント】

一生に一度の特例ですから、タイミングを図って大切に活用しましょう。

 

非課税の範囲内での贈与を計画的に

質問

子供に、ある程度のまとまった預貯金を生前に贈与しようかと考えています。まとめて贈与したらよいのか少しずつ贈与すればいいのか・・・また贈与に関する注意点を教えてください。

答え

贈与税には毎年110万円の基礎控除額があります。この基礎控除額を有効に活用して、子供達に毎年贈与を行っていくことがとても大切です。

「贈与」とは、当事者の一方(贈与者)が自己の財産を無償で相手方(受贈者)に与える意思表示を行い、かつ、相手方が受諾することによって成立する行為です。

民法上は、口頭であっても贈与契約は成立します。しかし、後日トラブルが生じることを防ぐために、必ず書面を交わしておくことをお勧めします。

今回のご質問で、「まとまった貯金をまとめて贈与するか、少しずつ贈与すればいいのか?」とありましたが、たとえば1000万円の例で説明します。

基礎控除額が110万円ありますので、基礎控除額の範囲内で金銭の贈与を行い、毎年100万円を10年間で合計1000万円贈与されているケースがよくあります。

しかし、この場合には、連年贈与として1000万円を一括して贈与したと見なされる可能性があるので注意してください。

そこで、毎年同じ金額の贈与を行うのではなく、今年は90万円、来年は100万円というように金額を変えて実施して下さい。そして、ある年には120万円の贈与をして、1万円の贈与税を納めるくらいのゆとりと計画性が必要です。

ここで、贈与する場合の注意点を説明します。

①「贈与であるという証拠を残す」こと。 「贈与契約書」を作成し、銀行振り込みにより預金通帳に証拠をハッキリと残すことが必要です。

贈与後、預金通帳や印鑑を、贈与を受けた子供に渡し、贈与した親は関与しないこと

贈与税は、贈与を受けた子供が納めること。

税額がゼロでも、贈与税申告書を出しておくこと

 

【ワンポイント】

贈与を行う際は、贈与の証拠を残すことが、とても重要となりますので、贈与契約書の作成や振込を必ず実行して、後日否認されないように注意しましょう

相続時精算課税制度とは?

質問

贈与税には「相続時精算課税制度」というものがあると聞きましたが、どのような内容なのか教えてください。

答え

相続時精算課税制度」とは、平成15年度税制改正においてできた制度で、新制度創設の背景には、1400兆円ともいわれる日本の金融資産の多くを65歳以上の高齢者が保有しているので、高齢者から若い世代へお金を移転させることにより、消費を刺激し、景気を活発化させようとする政府のねらいがあります。

内容は、今までは相続が発生した際に相続税を課税したものを、相続税と贈与税を一本化させて課税するものです。

主な内容については次のとおりです。

①贈与する年の1月1日において、贈与者(あげる側)は65歳以上の親であり、受贈者(もらう側)は20歳以上の子(子が亡くなっているときには20歳以上の孫を含みます。)であること。

②非課税枠は一生涯において、2,500万円とし、複数年にわたり利用できる。

2,500万円を超える部分は、一律20%の贈与税が課税される。

④贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はない。

⑤一度この制度を利用すると、従来の110万円の基礎控除は使えない。(ただし、当該贈与者以外のものから受けた贈与財産については基礎控除の110万円は控除したうえで計算される

(注) 相続時精算課税に係る贈与税額を計算する際には、暦年課税の基礎控除額110万円を控除することはできないので、贈与を受けた財産が110万円以下であっても贈与税の申告をする必要がある。

⑥この制度を利用して贈与した財産は、相続時に贈与時の評価額で相続財産に含まれる。

⑦最初にこの制度を利用するときに、申告と同時に届け出が必要である。

これらに加えて、1,000万円非課税枠を増額した住宅取得資金等に係る相続時精算課税制度」もあります。この制度の要件も前述の制度と変わりありませんが、贈与する親の年齢は65歳未満であっても、子が20歳以上であれば、適用できます。

 

【ワンポイント】

人のライフサイクルで一番お金を必要とするのは40代です。ローン返済、子供の教育費等、活きた財産の使い方をするために、「相続時精算課税制度」を活用するのも一法です。

 

物納申請を取り下げたら?

質問

土地を物納申請をすべきか、売却して納税するか悩んでいます。 とりあえず物納の方向で書類を準備しているのですが、もし物納申請して許可がおりる前に売却が決まった場合、取り下げることはできますか?その時の注意点も教えて下さい。

答え

物納申請をしていた土地について、売却が成立したような場合に、金銭で一時に納付することができるようになった場合、取り下げることはできますが同時に延納申請をする必要があります。

と申しますのは、物納申請をしてから収納されるまでの間は、納付がなされていないからです。

いくら物納を申請しても、収納されるまでは納付をしたことになりませんので、延滞税が発生します。特に申告期限を過ぎている場合には要注意です。物納申請を取り下げるだけでなく、併せて延納の申請も行うことを絶対に忘れないで下さい。

これを怠り、期限後に金銭で相続税を納付すると期限後納付となるため、相続税の申告期限から実際に納付した日までの間は、先に述べたように延滞税が生じることになります。

ですから、物納申請を取り下げて延納に一度変更し、その許可を受けて延納税額として納付をすれば、延滞税も生じることなく、それよりも安い利子税で済ませることが可能になります。この変更により、当初から延納の申請があったものとして扱われます。

また「みなす取下げ」といって、税務署より物納財産の変更要求の通知を受けた日から、20日以内に他の財産による物納申請をしないときは、物納申請を取り下げたものと見なされますので注意が必要です。

このようなケースでも、適当な財産がなく物納財産を変更できない場合には、延納に変更する旨の申請をすれば、延滞税は防ぐことができます。

そのほか物納の撤回という制度もあり、この場合も取り下げと同様に、延納申請を併せて提出する必要があります。

 

ワンポイント

物納申請を取り下げるときには、必ず「延納申請」を忘れないようにしましょう。

相続税の預貯金の税務調査

質問

相続税の税務調査について、流れや注意点などを詳しく教えて下さい。

答え

では、税務調査の流れからお話します。

税務調査は、朝10時から始まり、まず亡くなった方の経歴や趣味等、世間話が中心となりますので、相続人もつい安心して多弁になってしまい、余計なことまで話してしまいがちです。最初の世間話で調査官は、家を仕切っていたのは誰なのか、つまり財産管理をしていたのは誰だったのか目星をつけます。

例えば「亡くなったAさんの通帳を出して下さい」「通帳と印鑑はどこに置いていますか?」「そこへ案内してくれませんか?」・・・世間話で打ち解けてきたら、いよいよ調査開始です。

もし税務署の人から質問されたら、たぶん、多くの人が「イヤだな」と思っても、「何か隠している」と思われたくないので調査官の言うとおりにするのではないでしょうか。金庫や引き出しの中に相続人や孫の預金通帳が発見され、内容の説明や証明ができないと後で面倒なことになってきます。

調査官は、亡くなられた方の自宅に訪問する前に、銀行・郵便局・証券会社等へ照会状を出したり、自らが出向き、預貯金の移動状況を把握しているのが通例です。申告内容に疑義がある場合、相続人に対し、「申告後に漏れていたものはありませんでしたか?」と念を押す質問があると思います。預金があることを知りながら申告をしなかった場合には、次のように取り扱われます。

税務調査を受けて修正申告した場合

・・・10%の過少申告加算税が課され、さらに故意の申告漏れは、35%の重加算税が課されます

相続申告に際し隠蔽または仮装がある場合

・・・重加算税の対象となります。悪質な漏れに関しては「配偶者の税額軽減」が適用できません(相続税法第19条の2第5項)

 

以上のような流れになりますので、注意すべき点は

世間話に要注意・・話の流れと財産額のつじつまが合うのか。

通帳と印鑑の確認・・誰が管理していたのか。名義が違っても被相続人が管理・運用していれば、それは被相続人の財産とみなされ、相続財産の対象になる=申告していなければ申告漏れとみなされる。

・預金の流れは事前調査でおおよそ調査官に把握されている。

ということが言えるでしょう。

故意に隠蔽・仮装すると大きなペナルティ(重加算税)がありますので、そのようなことにならないように、生前からしっかりと管理運用し、相続が起こった場合には信頼できる税理士に相談し、申告を依頼することをおすすめします。

 

税務署が不審に思う相続申告事例

質問

相続財産が3億円を超えると相続税の税務調査があると聞きましたが、それよりも少ない額で申告した人も税務調査を受けたという話を聞いたことがあります。そういう場合は、どのようなことが考えられるのでしょうか?

答え

では、わかりやすく事例をあげて申し上げます。

(事例)

Aさんは36歳の時に内科医院を開業し、76歳で亡くなられました。

Aさんは毎年4,000万円の申告をしており、調査官が想定するAさんの財産は4億円と想定していました。

しかし、ここで遺族から提出された相続税申告の内容は、

・不動産1億円

・現預金1億円

・株式5,000万円

の合計2億5,000万円でした。

税務署の想定する財産額との差が1億5,000万円(4億-2億5,000万円)出てしまいました。

個人一人ひとりの暮らしぶり(趣味や生活水準)によって当然異なりますので、必ずしも税務署が想定した財産総額どおりにはなりません。しかしながら、税務署の想定数値は、同等程度の所得者の平均数値をもとに算出していますので、それとかなり異なる結果が出た場合は、調査して確認する必要がでてくるわけです。

そこで、税務調査官は、相続税申告書をもとに調査を開始し、下調べをし、臨宅調査を行います。

 

●臨宅調査

調査官は、実際に納税者の自宅に赴いて、不動産の権利証や株券、預金通帳(家族名義のものもチェックする)、その他の現物を確認したり、不動産を実際に見て評価に問題ないかを確認します。

さらに世間話をする感じでさり気なく「生前の暮らしぶり」や「趣味」を聞き、故人の人物像と財産構成を想定して確認していきます。また、銀行や証券会社を訪問し、取引の相手方に半面調査を実施して疑問点を1つ1つ解明していきます。

このような調査の過程を経て、申告漏れが発見された例は数多くあります。

 

【ワンポイント】

白色申告の人で、多額の預金を家族の名義に分散しているケースが見受けられますが、そういった家族名義のものも税務調査の対象です。

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