相続人数でない遺産課税とは
質問
「相続人数でない遺産課税とは」
答え
日本税理士会連合会は、平成16年度税制改正建議の中で、相続税の課税方式を「現行の法定相続人数によるものから本来の遺産取得課税へ移すべきである」と提言している。
その要旨は次の通り。「現在わが国で採用されている法定相続分による遺産取得課税制度は、実際の遺産分割に関係なく相続税の総額が算出されるところに特徴があるが、個々の相続人からみた場合、同額の相続財産を取得した場合であっても、法定相続人の数によって税額が異なる結果を招き、公平な税負担が実現されているはいえない。
また、共同相続人の1人が過少申告を行った結果、修正申告等によって税額が増加する場合には、他の共同相続人の相続税額も増加する結果を招き、納税者の理解を得られにくい。
さらに平成15年に相続時精算課税制度が導入された結果、この制度を適用するかどうかによって、他の共同相続人の相続税額に影響を与える問題を生じさせることとなった。これらの事情を踏まえれば、相続人や受遺者ごとに個人単位課税を徹底したほうが合理的であるから、本来の遺産取得課税制度への移行が、今後検討されるべきである」。